中間管理職劇場 ◯◯の女

FILE08 ワイナリーの女 HIDEKA IMAMURA FILE08 ワイナリーの女 HIDEKA IMAMURA

世界中を酔わせてみたい。 世界中を酔わせてみたい。

FILE08 ワイナリーの女 HIDEKA IMAMURA
株式会社シャトー勝沼 今村英香

PROFILE

株式会社シャトー勝沼 
今村英香
専務取締役

歴史あるワイナリーの長女として生まれ、ぶどう栽培とブランドマネジメントを中心に、ワイン造りのすべてに携わる。実はおっちょこちょいで、部下のフォローがありがたい。

“いい土には、一粒一粒、力強いブドウが実る”

キャリア25年の英香は、まだまだヨチヨチ歩きのひよっ子。それが土作り、ワイン造りの世界だ。
おいしいワインにはいいぶどうが不可欠で、ぶどう栽培の根幹は土壌管理にある。微生物が生息しているいい土にはミミズが棲んでいる。するとミミズを食べるモグラの穴が空き、モグラを狙うイノシシがくる。生き物たちの様子や下草の生え方から土の調子を判断して管理する。
まず土ありき。それが140年続くワイナリー「シャトー勝沼」3代目社長である父の教えだ。だから、英香の根幹はすべて畑にある。マーケティングは畑の次という位置づけだが、「土からワインを知っている」ことが、説得力のある商品を生み出す力になっている。

“「明日」という日はない。だから、今日を生きる”

“「明日」という日はない。だから、今日を生きる”

この先、生きていけるのだろうか——。
英香は過去に大病を患った。手術後の経過も悪く、入退院をくり返し、土に触れることもままならない日々に不安ばかりが膨らんだ。
ぶどうは毎年味が変わる。季節が移り変わる速度も気温も毎年異なるから、同じようには育たない。「例年通り」とはいかない世界では経験だけが頼りだ。今、目の前にある葉を見て土を確かめ、手を入れ、やっと出会える一度きりの味。人もきっと同じ。来年どころか、明日どうなるかも分からないのだから、「今日」を全力で生きよう。そう決めた。

“過ぎたことは悔やまない。元気な私を見てもらいたいから”

“過ぎたことは悔やまない。元気な私を見てもらいたいから”

世界の市場では「日本のワインはまだまだ」と思われていて、価格競争力も低い。しかし、英香はいけると確信している。ブルゴーニュワインの産地であり、ワインの本場、フランス・ボーヌのイベントで、自社を含め甲州ワインを振る舞う機会に恵まれたとき、飲んだ人たちは口をそろえて「ウマい!」と褒めてくれた。味は通用する。価格は手作業の魅力を伝えてカバーすればいい。
同時に、地元作家の作品を店頭で販売するなど、地場産業を盛り上げる取り組みにも熱心だ。自分が生きる上でたくさんの人の力を借りたように、自社だけではなく地域全体で支え合い向上を目指していきたい。
世界に打って出ること、地元山梨で手を取り合うこと。正反対に見えて、英香にとっては等しく価値のある目標だ。
英香は常に前を向いている。気持ちは人にもぶどうにも伝わってしまうからと、上機嫌で畑に向かう。今日も生きて、最高のワインを造るために。

To be continued....

SPECIAL CONTENT 実は簡単!
料理とワインの合わせ方

家庭でワインを開けるときは、一概に肉=赤ではなく、「できあがった料理の色」と「ワインの色」を合わせると失敗がありません。
[白ワイン]
鶏胸肉のクリームソースや蒸し料理(棒々鶏など)/白身魚/豚肉の塩胡椒ソテー
[赤ワイン]
デミグラスソースを使ったメニュー/マグロ、鰹などの赤身の魚/赤い牛肉/ソースがかかったとんかつ
ワインが苦手な方はソーダで割ったり、季節の果物を入れると飲みやすくなり、見た目も華やか。スーパーのカットフルーツでもOK。
  • スパークリングワイン+カットしたイチゴ
  • 白ワイン+桃、サクランボ
実は簡単! 料理とワインの合わせ方

株式会社シャトー勝沼

勝沼最古のワイナリー。1877年から約140年、3代にわたりワインを造る。ブドウの栽培から醸造、販売まで、一貫して「手作り」で行う。直営レストランやワイナリー見学も人気。

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